ツクールMZのフォントを変更しよう!ファイルサイズ軽量化も解説

この記事では『RPGツクールMZ』のメインフォントや数字フォントを変更する方法、また、ゲームの途中でのフォント変更やメッセージの一部だけフォント変更する方法をご紹介しています。

また、ゲームに使用するフォントを選ぶ際の注意点や、Webゲームならではのファイルサイズ軽量化についても解説していますので参考にしていただければと思います。

目次

使いたいフォントのライセンスを確認!

初心者の方はほぼ確実に知らないと思われるのですが、実はフォントにもライセンスがあります

Windowsに最初からインストールされている綺麗なフォントを使いたい? ほぼアウトです!!

Windowsに入っているフォントをゲームに組み込むなんてもってのほか、イラストの一部として使用するのも、印刷して配布するのも、それらを商用利用しても良いのかどうかも、それぞれフォント毎に個別のライセンスが定められています。

MSゴシック、MS明朝、メイリオなどMicrosoftに著作権があるフォントは一定範囲内での商用利用が認められていますが、MS Officeに付属のHGから始まるフォントは「リコー」が権利を持っており、商用利用の際には個別に「リコー」との別途契約が必要です。

筆者の経験上、イラストの一部として使用する < 印刷や画像化したフォントの商用利用 < ゲームへの組み込み の順にライセンスが厳しくなっていく印象です。有料フォントであっても、ゲームへの組み込みは別途契約が必要という場合が多いです

この記事をご覧の皆様はゲームに別のフォントを組み込みたいと思っているはずなので、無料フォントはもちろんのこと、「お金を払って有料フォントを買ったんだから何に使ってもOKだよね~!」という感覚で気軽に購入せず、まずは絶対にフォントのライセンスを確認する事を心に留めておいてくださいね

ライセンス的に問題が無さそうなら、フォントを配布しているWebサイトからフォントファイルをダウンロードしてみましょう。

ダウンロードしたフォントを軽量化してみよう!

ローカル実行のゲームならあまり問題にはならないかもしれませんが、作ったゲームを『ゲームアツマール』などのWebサイトに投稿する場合、フォントファイルの軽量化に取り組んでみる事をオススメします。

というのも、日本語を含んだフォントファイルって、ファイルサイズがとてもデカいんですよ。ひらがな、カタカナ、英数字、記号、さらに大量の漢字を収録しているので、そりゃあサイズもデカくなりますよね。Webゲームはどうしてもファイルのロード時間が長くなりがちなので、なるべくファイルサイズは小さくして高速化したいところです。

フォントファイルを軽量化するには、ゲームに使う文字だけを収録したフォントファイルを作ります。これを「サブセット化」といいます。おそらくダウンロードしたばかりのフォントファイルには、ゲームに使用されていない漢字や記号が山のように収録されている事でしょう。これを、使う文字だけにする事でファイルサイズを削減できます。

まずはフォントのライセンスを見て、ファイルを改変しても良いか確認してから取り組みましょう

「サブセットフォントメーカー」をダウンロード

フォントから指定された文字列だけを取り出して、ファイルサイズを小さくしたフォントを作成するソフト「サブセットフォントメーカー」を武蔵システムさんが配布してくださっていますので、そちらを利用させていただきます。以下のリンクからダウンロードしてください。

ダウンロードが完了したら、実行ファイルをダブルクリックしてPCにインストールします。「次へ」を押していけばインストールできます。

サブセット化したフォントを作成する

「サブセットフォントメーカー」を起動し、「作成元フォントファイル」、「作成後フォントファイル」を指定します(エクスプローラーからドラッグ&ドロップで指定する事もできます)

次に、「フォントに格納する文字」欄に、使用する全ての文字を入力します。後で文字を追加したい場合は再度サブセット化の作業を行う必要があるので、ここに入力した文字は別のテキストファイルなどに内容をコピペしておく事をオススメします

以上3箇所の入力が完了したら「作成開始」をクリックします。すると、「作成後フォントファイル」に指定した場所にサブセット化したフォントファイルが作成されます。

フォントファイルを「WOFF」形式に変換する

『RPGツクールMZ』で使用できるフォントは「WOFF」という、Webフォントファイル形式のファイルになります(実はより軽量な「WOFF2」という形式も使用する事ができます)

一般的に配布・販売されているフォントファイルはPCにインストールして使用する「TTF(TrueTypeフォント)」や「OTF(OpenTypeフォント)」ですので、『RPGツクールMZ』で使用する場合は「WOFF」形式に変換する必要があります。

ウェブ上でファイルを変換してくれるオンラインサービスも存在しますので手軽に変換したい場合はそちらをどうぞ。以下ではPCに変換ソフトをインストールする方法を解説しています。

WOFFコンバータをダウンロード

フォントファイルを「WOFF」形式に変換するソフト「WOFFコンバータ」を武蔵システムさんが配布してくださっていますので、そちらを利用させていただきます。以下のリンクからダウンロードしてください。

ダウンロードが完了したら、実行ファイルをダブルクリックしてPCにインストールします。「次へ」を押していけばインストールできます。

フォントファイルを「WOFF」形式に変換する

「WOFFコンバータ」を起動し、「変換前ファイル」を指定します(エクスプローラーからドラッグ&ドロップで指定する事もできます)

変換後ファイル」は空欄にしておくと、変換前ファイルと同じ場所に同じ名前で「.woff」拡張子のファイルを作成してくれます。

ここで、「WOFF2を作成する」にチェックを入れておくと、「WOFF」よりもさらに軽量な「WOFF2」形式(拡張子「.woff2」)のファイルを作成してくれます。『RPGツクールMZ』は、実はWOFF2を読み込む事ができるので、こっちを使用するのがオススメです。

「Internet Explorer」や古いバージョンのブラウザは「WOFF2」に対応していませんが、最近のブラウザはほとんど対応していますし、そもそもツクールMZの対応ブラウザに「Internet Explorer」は含まれていません。Webサイトを作るのなら考慮する必要があるかもしれませんが、ツクールゲームにおいては「WOFF2」オンリーで大丈夫だと思います。

フォントをツクールMZに導入する

上記の手順で作成した「WOFF」ファイルをツクールMZのゲームに導入していきます。まずはエクスプローラーを開いて、ツクールMZプロジェクトの「fonts」フォルダを開いてください。

デフォルトでは「mplus-1m-regular.woff」ファイルと、「mplus-2p-bold-sub.woff」ファイルが保存されていると思います。

これらはツクールのデフォルトフォントファイルで、「mplus-1m-regular.woff」はゲームのあらゆる場所で使用されるメインフォント「mplus-2p-bold-sub.woff」は数字を表示するための数字フォントになります。

ひとまず、ここに先ほど作ったフォントファイルをコピペしましょう。

次に、『RPGツクールMZ』を起動して「データベース」の「システム2」を開き、「メインフォントのファイル名」と「数字フォントのファイル名」を任意のものに変更します。例えば、上記で新たに作成した「new-font.woff2」を「メインフォントのファイル名」に設定すれば、ゲーム中の数字以外の文字が新たなフォントで表示されます。

ゲーム中の任意の箇所だけ別のフォントを使いたい

上記の方法でゲームの全てのフォントを変更する事ができましたが、特定のメッセージだけ、もしくはメッセージ内の特定の箇所だけ別フォントで表示したい事もあると思います。

そんな時は、ケケー様作のプラグイン「いつでもフォント変更」を試してみてはいかがでしょうか?

こちらのプラグインは、プラグインコマンドを使用してゲームの途中でメインフォントを変更したり、制御文字を使ってメッセージ内の一部の箇所だけを別フォントに変更する事ができるようです。

プラグイン「いつでもフォント変更」は下記サイトにて配布されています。

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