ゲーム制作を仕事にするには、有名なゲームメーカーに就職するしかない!というイメージがありますが、決してそんな事はありません。
今は「Unity」や「Unreal Engine」「RPGツクール」といった、個人でゲームを作るための制作環境が整っています。
また、Steamなどのプラットフォームを利用すれば個人で作ったゲームを売る事もできますし、個人で良いゲームを作っていれば企業の方から仕事のお声がけをいただける事もあります。そこからチーム制作の道へと進むケースもあるでしょう。
もちろん、自分でチームを集めて大規模なゲームを作ることだって可能です。
今回は筆者が考える、個人制作、チーム制作のメリット・デメリットを挙げてみたいと思います。
🎮 個人ゲームクリエイター|人生を楽しむゲームデザイン✨
ゲーム開発をしながら、人生をゲームのように楽しむ方法を模索しています!
◆コンテスト受賞歴◆
- ニコニコ自作ゲームフェス:大賞×2
- えんため大賞:優秀賞
- ふりーむコンテスト:最優秀賞
◆お仕事歴◆
- ブリキの時計『少年期の終り』『クロエのレクイエム -encore-』
- 株式会社ドワンゴ『ルチアーノ同盟』
- 株式会社GotchaGotchaGames『ISEKAI CREATORS』
個人制作のメリット
誰にも邪魔される事無く好きな作品を作れる
個人制作では、失敗して迷惑をかけてしまう関係者はいません。自分の好きな作品を、好きなだけ時間をかけて作る事ができます。
完成した作品は無料で公開しても良いですし、有料で販売しても良いでしょう。何をするのも自由です。
クオリティにこだわる事ができる
好きなだけ時間をかけられるという事は、自分が納得いくまでクオリティにこだわる事ができるという事です。
締め切りはありません。10年かけて市販のゲームを上回る超大作を作ることだってできるかもしれません。
ちなみに筆者がかつてフリーゲーム投稿サイト「ふりーむ!」のコンテストで最優秀賞をいただいた時の作品は完成まで5年かかっています。
ゲームがヒットすれば大きな利益を得られる
一時期、個人クリエイターが制作したスマホゲームが大ヒットするような事例がありました。
スマホゲームに限らず、個人制作のRPGツクール製ゲームがヒットするケースは今でも見られます。
自分で作ったゲームが売れたら、その利益は自分のものです。うまくいけばチーム制作よりも大きな利益を得られるでしょう。
個人制作のデメリット
基本的には小規模なゲームしか作れない
個人が1日にできる作業というのは限られています。シナリオ、ゲームシステム、グラフィック、サウンド、テストプレイにデバッグまで、全部1人でこなそうと思えば完成までに膨大な時間を要します。
そのため、多くの個人クリエイターはプレイ時間が数時間程度の小規模な作品を作ることが多くなります。
グラフィックやサウンドも、大手ゲームメーカーレベルというわけにはいかないでしょう。
学習しなければならない範囲が広すぎる
ゲームは「総合芸術」です。プログラミングができれば良いゲームが作れるわけではありません。
グラフィックやサウンドは既存の素材を使うとしても、絵や音の知識が無ければ上手に組み込む事ができませんし、良いシナリオが書けないといくらクオリティの高い素材も宝の持ち腐れです。
そもそも、ゲームは漫画やアニメのような「ユーザーに対して一方的に体験を伝える表現」とは違い、ユーザーの操作によって変化していくインタラクティブ性があります。
それらを全て1人でまかなうには、幅広い知識と経験をつなぎ合わせる必要があります。
販売やプロモーションにまで手が回らない
最高傑作のゲームが完成したとしましょう。
そのゲームをより多くの人に届けるためには、うまく作品を宣伝する必要があります。
でも、ゲーム公開後はユーザーのコメントに対応したり、バグを修正したり、アップデートの作業に追われたり……宣伝するための時間まで確保できるでしょうか?
ゲームを販売する場合は必要な事務手続きなども自分でする必要がありますね。
チーム制作のメリット
大規模なゲームを作る事ができる
ゲーム業界はチーム制作が主流です。
役割分担をして多くのメンバーで協力すれば、個人では作れない規模の作品を作る事ができます。
また、1つの作品に対して複数の人間の目によるチェックが入る事になるので、良くない点を早い段階で修正できるようになり、全体のクオリティアップにも繋がります。
早くゲームが完成する
個人では数年単位の時間が必要なゲームも、チーム制作ならもっと早く完成させる事ができます。
グラフィックの制作、サウンドの制作、シナリオの制作、システムの制作など、並行して同時に進められる作業が多くあるからです。
早くゲームを完成させれば早くユーザーにゲームを届ける事ができ、ヒットした際も早く次のコンテンツを用意できるようになります。
自分の得意な分野に集中できる
一口にゲームクリエイターといっても、その得意分野はそれぞれ違います。
シナリオが得意なクリエイター、グラフィックが得意なクリエイター、サウンドが得意なクリエイター、システムが得意なクリエイター。
個人制作の場合は自分の苦手な分野も1人でこなさないといけませんが、チーム制作ならそれぞれの得意分野に集中して取り組んでもらう事ができます。
チーム制作のデメリット
無償ではうまくいかない場合が多い
「超大作ゲームを作りたいから、グラフィックは絵の得意な友達にやってもらおう!」では上手くいかない場合があります。
「絵の得意な友達」は「ゲームを作りたい友達」ではありませんし、「ゲームを作りたい友達」は「他人のゲームを手伝いたい友達」ではないかもしれません。
もしも、グラフィック、サウンド、プログラム、シナリオの4人を集めて5人でゲームを作る事になったとします。その5人全員が完成までの長期間、ずっと飽きずに続けてくれる自信があるでしょうか?
1人が無断で抜けた時、その人が担当していた部分を誰がやるのか、その人が担当した部分の著作権はどうなるのか、ちゃんと連絡は取れるのか、といったリスクが発生します。無償で手伝ってもらっているなら、やめた人に責任を問う事はできません。
クオリティには妥協が必要
いくら優秀な人を集めてチームを組んだとしても、単純に「1+1=2」になるとは限りません。
なぜなら、ディレクターが思い描いているイメージが、100%チームに伝わるなんて事はないからです。
また、チームのメンバー同士でもイメージを100%は共有できないので「想像したものと違う!」という事が頻繁に起こります。それらに対して納得いくまで修正を指示していては、いくら時間とお金があっても足りません。
「100%のクオリティ」よりも「世の中に出せるクオリティ」を目指す事が大事なのかもしれません。
コミュニケーションが大事
チーム制作はコミュニケーションが大事です。
人間なので、言われたくない事・やりたくない事はありますし、どうしても性格の合わないメンバーも出てくるかもしれません。
すべてを理想的な状態で進めることは難しいかもしれませんが、なるべくお互いに配慮を忘れないようにしたいですね。
もちろん、ゲームをより良くするために言うべき事は言うという姿勢も大切です。遠慮と妥協だらけのチームでは良いゲームはできませんから。
蔦森くいなの個人的な考え
以上を踏まえまして、個人ゲームクリエイターとして「個人制作」がいいのか、「チーム制作」がいいのか、個人的に考えている事をクリエイター支援サイト「Ci-en」でご紹介しています。
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